「テレビがつまらない」は本当か?

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テレビはオワコン? 「離れの時代」に考える最強メディアの価値

 

 

テレビはYouTubeとネット番組に視聴者を奪われたのか

 

テレビも「下ネタ」ばかり


ここ2年くらい、気がつくといつの間にか、日本は「下ネタ」しか話題がないようなレベルの国になっている。そういう話題を国民が血眼に求めているのか、マスコミが商業的に作り出しているのかは、ニワトリか卵かの論争のようなものだが、どちらが先でも、後世から見たら万死に値するだろう。
 
テレビから新聞、雑誌、そしてインターネットまで少し冷静に考えて見回すと、政治経済から芸能までとにかく下半身が絡まない話はない。政治経済には必須の高度な論争や思想は皆無、芸能も芸術的価値を語るよりも有名人のパンツの中身や、その汚れ事情に終始している。
 
この状態はいつの間にか常態化してしまっているが、さらにもう少し冷静に考えると、全てのマスメディアが「実話系ゴシップ週刊誌」になっているようなもので、先進国のマスメディアの形態を成しているとは思えないのだ。
 
もちろん、その手のジャンク情報も市民感覚には必要だろうし、私も美しい女優さんの下半身事情は嫌いではなく、正直、大好物でもある。
 
だが大好物はそれだけじゃないということが大事である。高度な世界政治ゲームの裏側や、いかにしてドルと元とユーロがうごめいているか、日本的リベラルと右傾化のバランスなど、男女の情事などが入り込む隙のない、超高度な「ゴシップ」も大好きなのだ。
 
この国家は、朝起きてテレビをつけても、ネットを見ても、週刊誌の中吊りを見ても、どうしたことか「下ネタ」しか転がっていない。まるで何かが故障しているようだ。しかし人間というのは高度な感覚を本能的に持っているのも事実。昨今のこの状態。おそらく、皆、本能的に現実逃避しているという見方もある。
 
世界レベルでの日本の行く末や、戦後から始まっている思想的失策、市民文化的なものの限界、それら本当のことを知るのが、本能的に怖くて仕方ないから、馬鹿げたお祭り騒ぎを連日繰り返して、「下ネタ」という鎮痛剤を飲み続けているのだろう。しかし虫歯でも腹痛でも、鎮痛剤では病気そのものは完治しないのは分かりきったことだ。
 
(俳優・大鶴義丹、zakzak 2018.05.16
  
  
 

紅白歌合戦の視聴率が映し出したニッポンの社会と家族

 

 

消える学園ドラマ、「科捜研の女」が象徴するテレビの中高年依存

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