団塊ジュニア世代

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私の娘はいわゆる団塊ジュニア世代に属している。

子供を客観的に見るためには、その世代の特性をまず一通り知っておくことだ。

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というわけで、団塊ジュニア世代を分析してみた。

団塊ジュニア世代は1970年前半の第二次ベビーブーム(1971年~1974年)で生まれた世代のこと。

第二次ベビーブーム世代とも呼ばれている。

 

団塊世代をメイン・ターゲットにしたマーケティングを行なう際には、団塊ジュニアもターゲット層として想定することが多い。

出生数の過半数が団塊世代の子どもによって占められる世代こそが本当の団塊ジュニア世代だ」という考え方から、1973年から1980年に生まれた世代を「真性団塊ジュニア世代」とも呼ばれている。

  

具体的に団塊ジュニア世代というのは、現時点での34才から42才の世代の人たちを指し、その総数は2000年時点で約980万人。

団塊ジュニア世代でも特に女性は、親と共に消費活動を行なうことが多い特性があるのだという。

社会問題になっているパラサイト・シングルもその特性を表わす事象の1つと言えるだろう。

  

団塊ジュニア世代は人口の多さから、子供の頃より入学試験などの競争を強いられてきた。

また学歴と実力がもっとも釣り合わない世代でもあり、これは行き過ぎた競争率の負の産物と見られている。

そのため学力の底辺レベルが高い半面、世界進出が可能なクラスがどの分野においても著しく低いのもまた特徴だ。

  

大学卒業間近には就職氷河期が到来し、不況による厳しい就職活動を強いられた結果、現在でもフリーターあるいは派遣労働者といった不安定な生活を余儀なくされている人が多い。

「かろうじてどの科目でも平均点+α」で問題を乗り切る癖がついてしまったため「個性とは何か」を見つけられないまま年齢を重ねるというパターンも多く見受けられる。

  

そのために、縦割り化が行き届いてしまった後の世代よりコミュニケーションが比較的どの階層に対しても容易に行える半面、自分の同世代が今どこでどのように活躍しているのかに対しては口をつぐむものが多い。

良い点として「真面目で仕事熱心」「気配りが上手」「家庭を大事にする」などの、いわゆる「地味」が美点としてが挙げられる。

  

日本では新卒者や同業界からの転職者以外の採用に消極的な会社が多いため、新卒採用に失敗して定職につけなかった団塊ジュニアの将来が心配され、若年者雇用の問題の一つとなっている。

就職難によって社会で活躍する機会を十分与えられていないせいか、「横並びで目立たずに生きる」のか「人を倒して生きる」のか判断できないままで結婚適齢期も過ぎてしまい、競争力に欠け趣味も平凡という研究結果もあるくらいだ。

  

しかし、これはこの世代が無能というわけではなく、30歳を過ぎてから実力を見出したものも少なくないことから、「晩成型」の人間が多いのではないかという見方も多い。

事実、団塊ジュニア以降の世代は10代から20代前半で目覚めている人間の比率が高い。

  

これは日本のみの現象ではなく、世界的にも類似の現象がドイツやイタリアなどの潤ったヨーロッパの地域でも見られる現象のようだ。

不況下を生きた団塊ジュニア世代は団塊の世代に並び、これからの住宅市場の有望な消費者層として注目されている。

   

  
では団塊ジュニア世代の価値観はどこにあるのだろうか?

キーワードは「自己最適化」だ。

昭和ヒトケタから団塊世代までは1950年代の黄金時代であるアメリカ中流家庭のような豊かな生活を目指そうという「グッドライフ」志向だった。

 

次に、団塊世代がニューファミリーを築き、新人類世代が若者になった70-80年代になると消費の志向は「ベターライフ」志向になる。

つまり70年代前半までにほぼ「グッドライフ」の基礎ができたため、よりよい「ワンランク上」の生活を目指そうという価値観だ。

 

コロナをクラウンに買い換えるだけでは足りずベンツを買ってしまう、国産のバッグからルイ・ヴィトンのバックにランクアップしようなどという価値観といえばわかりやすいだろうか。

グッドライフ、ベターライフと来れば最後はザ・ベストライフとなりそうだが、団塊ジュニア世代は「みんなにとって最高」というものは求めないのだ。

 

それよりも、自分にとって一番よい My Best Life が団塊ジュニア世代のキーワードだといっていいだろう。

人から見てどうではなく、自分にとって最適な生活が重視される。

だから、どちらかといえば、生活全体をレベルアップしようという志向ではない。

 

古着志向、中古家具的なインテリアやカフェ、コギャルなど、消費の新トレンドは団塊ジュニア世代から本格的に生まれている。

この世代は若者消費の柱となってきた車やファッションなどモノ自体への関心が非常に薄い。

女性のファッションは着ていて楽なブランドが人気で、海外旅行も子供の頃から親に連れて行かれているため、いつでも行けるという感覚だ。

 

だからそれほど積極的ではない。

関心領域は居住や部屋で、最大の関心対象は「自分自身」なのだ。

自己肯定意識が強く、自分を認めてくれて、支えになる友人関係がもっとも大切になり、地元で遊ぶのも、携帯電話に時間とお金をつぎ込むのも、友人関係を維持したいから。車も友人関係を強化するタイプを求める傾向が生まれる。

 

団塊ジュニアには自分らしさ志向、リラックス志向、レトロ志向、ミックス志向があるというわけで、自分にとって最適なものを求めている。

「自分が好きだから、自分に似合うから」という価値観が非常に強い。

 

あるいは、自分が関与していく余地のあるものを好む。

完成された100パーセントのものよりも、ある程度未完成でもそれが面白くてそこに自分が関与していくことを楽しむ世代。

  

だが「これが自己最適化だ」という商品は簡単には作れない。

そこで重要になるキーワードが「自己関与性」だ。自己関与性とは消費者が自分で商品に関与することで、自分にとって最適なものを作っていくということだ。

 

企業側が「これが最適です」と提案しても、消費者が乗ってこない。

それより7割ほどできている商品を出して、「あとの残りの部分は、自分で加えていってください」という余地を残しておくほうが、消費者にとっては魅力的なのである。
  

すでに多くを持っている人間は、そもそも自分が何が欲しいかをあまり自覚できない。

そういう彼らに物を買わせるには、意図的に「これがない」と感じさせるしかない。

あえて飢餓感を創出するわけで、その手法の一つが「限定品」という売り方だ。

 

たとえばブランドもののシューズで、今回は世界で1000点しか生産しないといった商品を売るという方法だ。裏原宿のショップのTシャツもそういった商法をなぞらえたものだ。

「100着限定」としてでも売れば、今しか買えないという状況が発生するため「今買おう」と思ってしまうというわけだ。

 

デザインに対しては非常にこだわりが強い。

カフェブームという空間消費願望からもわかるように、空間への欲求が非常に強いのも特徴だ。

さらに、仲良し親子願望、暮らしのんびり志向、豊かさエン ジョイ志向、女性の自立志向、自分へのこだわり、社会への不安、プライド志向があげられる。

 

何事にも距離を意識的にとった上で「自分らしさ」というものに深くこだわり、「個」を重視しつづけるマイペース型の淡白人間といえばわかりやすいだろうか。

肩肘張らない自己の身にあった生活を切望するため、先のことについてはあまり深く考えない傾向が見られるという。

 
  


団塊ジュニアに属する各界の有名人

1971-74年生まれ

仁志敏久(1971年)、高橋尚子(1972年)、堀江貴文(1972年) 、イチロー(1973年)、松井秀喜(1974年生まれ)

川原亜矢子(1971年)、中村獅童(2代目)(1972年)、浅野忠信 (1973年)、SMAPの香取慎吾を除く4人のメンバー(1972年~1974年生まれ) お笑い-ココリコ、ロンドンブーツ1号2号、オセロ、青木さやか、友近

   

   

出典

  

2006年11月16日

 

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