ルールの違い と変化

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日本と米国のマーケットを毎日見ていると、いろいろな部分でルールが変わりつつあることを実感することができる。

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米国マーケットは来週から冬時間に移行するため、日本からだと夜11時30分からとなるが、こうしうた移行のルールも、直接関わりのない人にはほとんど分からないレベルで少しずつルールが変化していることを実感している。

  

米国マーケットでのアップティックルールの廃止もそうだが、絶えず変化をし続けている米国に比べると、日本は変化がないということをより実感することになる。

そしてまた、多くの人はそれに気が付いていないということ も、同時に理解することになる。

   

会社のルールだと、いわゆる二ーズというものは、すでにパイが存在し、誰かが勝ち、誰かが負けるというゼロサムゲームの仕組みの中で存在している。

「仕事を向上させる」ということは、別の言い方をすれば、パイを他人よりより多く奪いあうことだといえる。

  

それが資本主義での競争なのだが、問題はある程度決められた量からの奪い合いだという点だ。

「ニーズを掘り起こす」ということは、もともとあるものに気が付くということであり、誰かが多く獲れば、誰かが足りなくなってしまう。

そこで競争が生まれる。

  
   

100万円の宝くじで100万円の賞金を2本狙い、それが当たる確率は18万分の一 としよう。

東京ドーム4つ分の人数から一人当たりが出る確率だから、一億円が当たる確率はさらに気が遠くなるほど低くなるわけだ。

  

一人で巨大なパイのほとんどを奪おう、というわけだから当然だろう。

すべての人は、こうした「どうすれば奪えるとかというルール 」が富を生む、と 教え込まれ信じているという、いわば洗脳された状態になっているといっていいだろう。

  

社会のシステムのほとんどが、この方法をベースにして動いているのだから仕方ない。

   

一方トレーディングという趣味型の仕事では、ゼロから「有」を生み出すことだってできるのだ。

一日のナスダックマーケットでの取引高が20億株の場合、あるデイトレーダーが総計1万株を売買したとすると、マーケット全体の20万分の一を売買することになる。

東京ドーム4つ分の人数のトレーダーの一人が自分に相当する ことになる。

  

だがここでは時間差とトレンドの動きを利用して、いわばゼロから利益を生み出すのだ。

19万9999人の利益から、これっぽっちも奪い取ることはない。

なぜなら東京ドーム4つ分の人数の大多数は、逆張りでトレードをしているから 、そういう人たちはいわば自業自得で損をするわけだ。

  

宝くじとトレーディングでは、パッと見は同じような確率の数字 であっても、その仕組みが全く違うところが面白い。

   

多くのデイトレーディングのプロトレーダーたちは、トレードという仕事に対して「仕事」だけという感覚では捕らえていないだろう。

どちらかといえばそれは、仕事型ではなく趣味型に属するからだ。

トレーディングは「仕事」を「趣味」と表現できる唯一の仕事かもしれない。

  

ロスを出し続けている間は、お金を払って楽しむという普通の趣味にとどまるが、確実に勝てるようになると、お金をもらいながら趣味を楽しむという状況へと一変する。

だからコンスタントに利益を出せるトレードができるようになると、もはや仕事ではなく、趣味またはゲームの感覚で心底楽しむことができる。

資金が増えてくれば、通常はスウィングトレードと組み合わせ、少し長時間保有することで大きく稼ぐことができるから、デイトレードそのものはエンターテイメントとして、ひと時をエキサイティングに過ごす ためのツールとして楽しむことができる。

  

デイトレーダーが1万株を5回売買して、一売買につき0.1ポイントだけの利益を出せると仮定してみよう。

少なめに仮定しても一日500ドルになる。

一ヶ月で1万ドル、年間12万ドル。

  

5万ドルの資金で換算すると年間で、240%の利回りになる。

おまけにこれは、他人との競争で手に入れるのではない。

時間差とトレンドの動きを利用し、短時間で利益を生み出すのだ。

 

もともとの目的は経済的な基盤を作るためなのだから、その資金をリスクに晒す時間は少ない方がいい。

数日から数ヶ月の保有時間と比べると、まさに動きのストリーミングにうまく乗って掬い取るという感覚だ。

そして何よりも違うのは同業、異業の人たちとの戦いではなく、自分との闘いだという点だ。

  

このような趣味型の新しいビジネス形態は、従来の二ーズという考え方からは生まれない。

本当の二ーズは、社会の中にではなく、自分の中にしか存在しないからだ。

真のニーズは、目先の利益などではなく、時代を変え、歴史に残るもので、無から有を生み出した人であり現象だ。

  

このデイトレーディングは米国の一人の個人トレーダーが、 個人が組織と同じように、メインフレームのシステムにダイレクトにアクセスできないのは憲法違反だという考えから、証券取引所に対して起こした訴訟から生まれたものだ。

このような従来の概念から言えば、新しく無から有を生み出すようなタイプの競争は、いわゆる「趣味」の考え方の中から生まれ る。

 

趣味型のビジネス形態は、新しいモノを生み出しやすいという特性を持っている。

趣味は過剰に他人を意識することなく、心底自分で集中して取り組むことができるからだ。

それにカイシャに対して時間の切り売り をする、というわけではないわけだし。

  

純粋なモチベーションと、最高の集中力を使い、自分自身の中を探った結果が、もたらす変化は、それを経験した人でなければ分からないだろう。

こうした趣味型の仕事で大事なのは、外へのネットワークではなく内側のネットワークだ。

デイトレードネットでは、そこに関わる人たちを繋ぎ、お互いにシェアできるものを共有しながらお互いの利益のために利用するという基本的な考え方で、様々な無料、有料のサービスを提供している。

   

こうしたサービスを経験された方なら、趣味を通して同じ志を持つ人たちとネットワークを形成し、その輪を広げてゆくという考え方からして、今までの仕事とは全く違うことがよく おわかりになるだろう 。

この仕事では、このように基本的なさまざまなルールが 、ほとんどの一般的な仕事とかなり違うのだ。

   

私が以前に本を書いた理由は、これから日本を担う若年層のみなさんに、こうしたルールの変化や違いを感じて欲しいからだ。

本ではこういう目線では触れていなかったので、ちょっと補足ということで。

 

出典

2007年1101 Thurs.

 

 

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