フィードバックの効果

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以前の日記のどこかで書いたことですが、「咀嚼」(そしゃく)の重要性について。

トレードというのは別の言い方をすると「株式投資」ということになるのですが、ほとんどの人は、あたかもギャンブルのようにイチかバチか、という取り組みをすると、大きな損をすることがあります。

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大事なことは、失敗したときに何故失敗したのかの原因を自分なりに、きちんと整理しておくことです。

ですが、ほとんどの人は、損をしたことであきらめてしまい、その理由を探ることをせずに、放置したままにしている人がほとんど。

どんなことでもそうだと思いますが、自分が取り組んだことに関して、うまくゆかなかったことに対して、原因を究明をはっきりさせるという「姿勢」は、一生を過ごす上で もとても大事なことなのです。

  

うまくゆかなかった原因を探り、その対策ができたなら、次はその対策をした方法をシミュレーションで何度も繰り返して、それが計画通りに実行できるかどうかを繰り返すというプロセスが必要になります。

トレードの世界では、こうした取り組みを行う場合、デイ・トレードは、大きなアドバンテージがあります。

何故かというと、まず取引できる回数が多い、つまり場数をたくさん踏めるからです。

 

トレーニングでは、1日20トレードから50トレードくらい、つまり40回から100回の買いまたは売りの判断をするのですが、どうしてそういう結果になったのかを、20回から50回考えるという訓練ができるのです。

50回だと20日つまり、1ヶ月で1000回の実行と反省ができるのです。

実際のトレードでも、少なくとも1日に2回から5回の売買はしますから、3回として1ヶ月60回は何故こうなったのかということを、お金のやり取りを通して真剣に考えざるを得なくなるのです。

 

1年だと720回です。

普通のトレードだと、どうでしょう。

 

 
あなたは今までに、何回くらいこういう判断とフィードバックをされたでしょうか?

こういうフィードバックは、その原因をできるだけ客観的にきちんと把握することが大事なのです。

独りよがりになって、運が悪かった、地合いが悪かったでは、負け犬の遠吠えと同じことです。

 

何ヶ月も、何年も前に買った銘柄をどういう理由で、どういうマーケットの状態で、判断したのかということは、何かに書いていなければ、忘れてしまうはずです。

たとえ覚えていたとしても、曖昧になるのは仕方のないことです。

セミナーでは、受講者用掲示板へ自分のトレードがどうだったのかを、一目瞭然で知ることができるチャートを掲載し6ヶ月続けることができれば成功するということを何度も話しています。

 

大事な点は「一目瞭然で分かるかどうか?」という点です。

掲示板などへ書き込まれたものというのは、言い換えれば自分の頭の中が反映されたものなのです。

ですから成績のいい人が貼り込んでいる書き込みというのは、エントリーと脱出の位置がとてもわかりやすいチャートが必ずついています。

 

わかりやすい解説があれば、よりいいでしょうが、どちらかだけアップするのなら、チャートです。

百聞は一見にしかず。

文字で書いてある数字を追って、自分のチャートでそれを確認する人などというのはいないと思った方がいいでしょう。

 

セミナーでも、繰り返していますが、見た瞬間にその人のそのトレードがどうだったかが瞬時に分かるチャートを貼り付けることです。

どうせ貼り付けるのなら、分かりやすいものを!

これが鉄則です。

  

デイ・トレードだと、買ったときのことは長くても2時間ほど前のことですから、鮮明に覚えているはずです。

短ければ5分です。

そして、反対売買したあとで、専用の掲示板へ書き込むなりの方法で、ディスカッションをすることができます。

 

そこで自分の判断の反省や、良かった点などについての意見が、客観的かどうかの、チェックをすることができます。

うまくいった理由はタイミングなのか、それとも他の要因だろうか・・などと決断した原因が何かを明確にできれば、それだけ次回のトレードで利益を出す確率を、上げることが可能になります。

このフィードバックが不充分で、ただ単に同じことの繰り返しになってしまうようなら、デイ・トレードであれポジショントレードであれ、利益を出すことは不可能です。

 

最後はカンに頼るしかなくなるのです。

そして後で、自分に対しての言い訳を考えることになり、自分の判断力について自信を失い、自らを混乱させることになります。

 

 
原因がハッキリしない、または自分で納得が出来ないと、その結果にこだわり、迷うことになるのです。

損をしたときほど、正しいフィードバックが重要なのです。

その時のトレードした銘柄と、指数のチャートを見ながら読んでも、思い出すのは1ヶ月前が限度です。

 

ですからデイトレードを始めた最初の1年は、自分の記録とコンピュータのログを照会するついでに、マーケットの状況や、その原因を記録し続けました。

こうしたシミュレーションができる仕事というのは、よく考えると非常に少ないのです。

 

レストランで営業を始める前に、シミュレーションで営業をやってみる、なんてことは不可能ですね。

ですから、トレードフロアでトレードをしていた、プロを目指して成功した人は、この「シミュレーションが可能である」という利点を生かすため、真剣に取り組んでいました。
  

  

こうして回数を重ね、だんだんと確実に利益を出せるようになってくると、不思議なことに、分析しなくても、アタマでまたカラダが、そのときの状況を含めた大事なポイントは、覚えているようになります。

損失に対しても、断固とした決断ができるため、ロスを受け入れることができるのです。

つまり薄いカットロスが出来るようになるのです。

 

こうしてつかんだ、ロスを減らすことによって手に入れた自分なりの勝ちパターンは、一生の財産です。

ボケ老人にでもならない限り、死ぬまで使えるのです。

ですから確実に利益を出しているデイ・トレーダーは、ずば抜けた判断力を身につけています。

 

つまりこうして身につけたよい習慣は、普段のあなたの生活にも、確実によい影響を与えることになり、生活の「品質レベル」が向上してゆくのです。

自分が全力を挙げて取り組むだけの価値があるものは、それほど多くはないのが現実です。

こんな簡単なことで、うまくゆくようになる仕事は他にあるでしょうか?

 

毎日コツコツと、チャートをアップして、自分のトレードの軌跡を積み上げることが奇跡を生み出すことへ繋がるのです。

こうした仕事に出会えたのは、とてもラッキーなことなのだと思います。

  

 

出典

2007年3月28日

 

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