投資信託の実態

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投資信託はどの程度の運用成績なのでしょうか?

というわけでちょっと調べてみました。

まずは、モーニングスターのトータルリターンランキングでの5年利回り。

格付投資情報センターでは、各種の成績を見ることができます。

 

国内型アクティブ型の運用成績を見ると、当然のことですが、かなり悲惨な状態だといっていいでしょう。

野村の株価が安いわけがよくわかりますね。(笑)

こうした実態をもとに、独断と偏見による「投資信託」についてです。

   

  
日本の投資信託は、国の破綻回避の手段の一つとして誕生しました。

わかりやすく言えば、証券会社や銀行救済のための株式買付手段です。

表向きは健全な投資家の育成や株式市場の発展に「寄与」するための商品ということになっていますが、中身は「業者の業者による業者のための」金融商品なのです。

 

始末に困った銘柄や、特定の企業の株を上げるため、集中的にその企業の株式を組み入れたり、業界や大企業の圧力で増資を有利にするため組み入れたりすることが多かったのです。

さらには証券会社の株式売買手数料を上げるため、頻繁に組入銘柄を売買する、なんてこともやります。

「プロの運用」などというのはただの宣伝文句。

 

「ファイナンシャルのプロ達の実態」でも書きましたが、アメリカでも、まともなファンドマネージャー なんて数えるほどしかいないわけですから、仕方ありません。

「会社」のために組み入れ銘柄を決め「会社」のために高値とわかっている時に大量の投資信託を設定すれば、顧客がひどい目に遭うのは当然です。

ですが今や銀行や郵便局までが投信販売に目の色を変えるのは、多額の手数料収入が見込めるからなのです。

つまりは「証券会社だけに儲けさせてなるものか」というわけで、銀行や郵貯組との顧客争奪戦が始まったというわけです。

 

 
投資信託もファンドの一つなのですが、今やさまざまなファンドがあり、プロでもどんな商品なのかが、わか りにくい金融商品が多くなってきています。

その代表的なものが、今サブプライム問題で注目されているCDOという債務担保証券に代表される金融商品です。

「CDO」は、RMBSと呼ばれる住宅ローン担保証券を元に発行されています。

 

このRMBSの担保はサブプライムローンだけでなく、これより幾らか信用力の高い個人向けローン「オルトA」、さらにその上の「ジャンボ」「プライム」 なども含まれています。

CDOは2000年に入って急展開した金融商品のため歴史がない商品なのですが、全世界のCDO発行額は5年間で5倍 以上に増えたのです。

その理由は、低金利を嫌う投資家や金融機関が高い利回りを求めたからです。

 

そして、たまたまサブプライムが破綻を始めたということなのですが、当然オルトA、ジャンボなどの不良債権化も進行しています。

中でもオルトAは証券化商品に組み入れられている比率が高いため、さらに多くのこうした金融商品の価格が急落する危険があります。

約150兆円のサブプライムローンだと影響は限定的と言えるかも知れませんが、それでも今のマーケットを見ればその影響の大きさがわかろうというものです。

そしてこの先1150兆円規模の米国住宅ローン市場に影響が出れば、どういうことになるでしょうか?

 

 
戦後の日本は「証券民主化」という政策により、多くの人々が株式市場に参入しました。

急速な戦後復興で企業価値も大きく上がり、株価も上昇し続け、1985年のプラザ合意以後の誤った金融政策がバブル経済を生み「株と土地」は必ず上がるという「神話」まで作り出し、多くの人が自分を「投資家」と錯覚したわけです。

そして1990年以降のバブル崩壊で、「にわか投資家」たちはリスクの意味を学んだはずだったのです。

 

しかし10年という歳月でそうした苦い記憶は風化し、2003年のボトムから株価が上昇すると、いつの間にか「投資信託」という リスク商品を怖いと思わなくなってきたのです。

しかも預金金利が4%台から5%台が常識という世界から取り残された日本は、ゼロ金利が長く続きました。

そのため「高い金利」を謳う投資信託が、やけに魅力的に映ったというわけです。

 

日本では金融危機の際に、中小企業は放置ししても、銀行だけは税金で救い、挙げ句の果てに国民が本来受けとるべき金利を低く抑え、間接的に巻き上げるという政策を取りました。

これはアメリカからの遠隔操作で行われ、それを忠実に実行したのが、小泉純一郎・竹中平蔵氏コンビだったのです。

金利をゼロに近い水準にしておけば、国債をどんどん発行して国の借金を増やしても 、利息は何とか払えるという利点もあります。

 

一方でほとんど利息のつかない預貯金に嫌気がさした国民は「投資」対象となる代替商品を求めました。

こうした背景が投資信託がブームとなる下地になったというわけです。
以後投資信託は、外国のものがどんどん組み入れられ、アメリカの株式や債券も思惑以上に組み込まれました。

そして2007年10月1日に日本郵政公社は民営化され、日本郵政グループとして郵便貯金だけで234兆円、簡保を含めると総額359兆円を「投機市場」へ流 し込む用意ができあがったというわけです。

 

 
ですが郵貯を民営化してその資金を国債から投資信託へ変えると、国債の暴落を招くことになります。

国債価格が暴落すれば、金利は急上昇し、国債利払い費が急増し国の予算が組めなくなるわけなのですが、こうしたことが現実に始まったのです。

慌てた財務省は、3年ほど前に個人向け国債を売り出しました。

 

テレビの派手な宣伝で覚えていらっしゃる方も多いはずです。

そのおかげで、わずか数兆円しか個人が持っていなかった国債は、なんと30兆円も売れたというわけです。

これはあまり知られていないことですが、国債にもリスクがあります。

 

元本と利子の支払いを日本政府が行うため、一見安全性の高い金融商品のように見えますが、発行体である日本国の信用状態の悪影響により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払い不能が生じるリスクがあります。

2007年9月30日に施行された、投資家保護のための金融商品取引法(金商法)と金融商品販売法(金販法)によって、最近は「ゆうちょ銀行 」でも、国債の先行きを表現したかのような説明を加えています。

金商法は、金融庁が金融機関に義務を負わせるもので、金販法は金融機関が、顧客に説明義務を負うものです。

 

金商法は「業法」のため営業停止などの行政処分の対象となり、金販法は民法と同じ「私法」なので、損害賠償などの責任を負うことになります。

こうした法律が定められたのは、それまで、証券会社だけしか行えなかった株式や投信の販売が、銀行や保険会社、郵便局 でもできるようになったためです。

証券会社は預金を持っていないので、顧客の資産は限定した範囲しか把握できないのですが、銀行や郵便局には預貯金口座があるため、顧客の資産状況がわかるという利点があります。

ですが証券会社顧客と違い、銀行や郵便局に預貯金している層は、リスクをよく知らないのです。

そうした顧客へ無差別に投信などのリスク商品を売り込めば、どうなるでしょうか?

 

 
こうして儲け優先で、銀行や郵便局の勧誘行為を特別に規制する法律を整備しないまま、投信の販売が解禁されたのです。

当然トラブルが頻発し、国民生活センターや金融庁に苦情が殺到したわけです。

その対策として、後手ですが金商法と金販法が施行され、カンフル剤としてのこの法律は、ある程度の効果を発揮しました。

 

施行後は投信の新規設定が急減、銀行や投信をどんどん売らなければ運用益が少なく存立すら難しい郵便局でさえ、新規販売を手控えることになったのです。

ですがこれは一時的な現象で「ノルマ」がある限りまた同じことになります。

ノルマを「目標」という呼び方で営業マンを「煽る」という手口は、銀行や証券の世界では常識です。

 

目につきやすい窓口では法令通りの販売を行い、末端の店舗や訪問販売では、脱法販売を行 うなどという方法は、営業マンにとってはノルマがある限り、当たり前のことであり、法令に触れてもやらざるを得ないわけで、 今まで日本の証券会社や銀行は、そうやって「成長」してきたわけです。

投信販売が急減している間にも、営業マンには「抜け道」を探すため、法律を勉強させ「教育」を施しているのです。

こうして新しい会計年度を前に、顧客への販売攻勢を始めるための準備は着々と整えたというわけです。

  

 
そして郵政のトップには「 あの三井住友銀行の元頭取西川氏」が抜擢されたのです。

氏は2006年4月の金融庁の処分という法令違反の前歴があります。

その手口は、長期資金の融資の際に、リスクの高い金利スワップ商品を抱き合わせで売る、という巧妙なやり方でした。

 

こういう「やり手」をトップに据えた「ゆうちょ銀行」で何が始まるかは、言わずもがなです。

アメリカは約150兆円のサブプライムローンの負債があるため、日本の郵貯・簡保の総額359兆円を虎視眈々と狙っています。

ですがその359兆円は、2004年7月末時点で、359兆円のうち151兆円はすでに国の借金の穴埋めとしての国債へ投資として使われているのです。

 

さてこの分捕り合戦で、最終的にどこがいくら勝ち取り、最後に国民の手元にはいくら残るのでしょうか?

  

 

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