時間のコントロール

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大人になると子どもの頃に比べて、時間の流れを速く感じる方は少なくないはず。

社会人になると、締め切りなどの時間に追われることが多い、などということにも関連するのですが、カミサンもよく「一週間の経つのが本当に早い」って言ってますけどね。

 

子どもの頃と時間の感じ方がこんなにも違うのは、なぜなんでしょうか?

世界基準で決められている時計の時間は一定に流れているはずなのに、状況によって時間の長さの感じ方が違うというのは不思議なことです。

 

でいろいろ調べてみると、時計で示されている時間のほかに、どうやら私たちには心理的な時計が体内に存在するらしいのです。

子どもと大人では時間の感じ方に違いが出てくる、言い換えれば、一般的に大人になると、この心理的な時計(ここからは「心理時計」と呼びます)の動きが子どもの頃よりも遅くなるのです。

 

具体的に言えば、心理時計が一分経っているのに、実際の時間は40秒しか経っていないという場合、時問の流れはゆっくり感じられることになります。

逆に心理時計の動きが40秒しか経っていないのに実際の時計が一分過ぎていたりすると、もう一分経ってしまったのかということで、時間が早く感じられるのです。

 

こういうことを調べる「認知科学」という分野があるのですが、物理的な変化と心理的な変化との関係を調べるという方法論で、人間の外的な環境に対する感じ方や理解の仕方の規則性を調べるというものです。

これは私の仕事にもかなり影響があるのではないかと、興味を持っていろいろ試しているのですが、実はこれは磁気シャワーや、マイクロバブル、酸素カプセルなどとも関係しているのではないかと、密かに考えています。

   

認知科学では、人間が生きている外的な環境をどのように認識しているのか、ということを研究しています。

たとえば見たり聴いたりするというのは「無意識のうちに知覚」しているわけで、普段は自分がどのように感じているのかなんて、意識してないわけです。

 

人間の知覚や認知の時間的特性や限界は、これまでは、せいぜい自分たちの足で走り回る程度の移動速度に対応して、獲得されていたものだと考えられていました。

たとえば私が今、目の前で見ているものというのは、実際には少し遅れて伝わっているというのです。

 

網膜に光が伝わってから、脳で処理されるまでにおよそ0,1秒かかるらしいのです。

たとえば、プロ野球選手は150キロのスピードで飛んで来るボールを打つことができるわけですが、正確には人間の視覚には0,1秒遅れて見えているわけです。

 

150キロで飛んでくるボールの場合、0,1秒の問にだいたい4メートルくらい移動するので、見て打つということは、できないことになります。

なのに、なぜ打てるかというと、トレーニングを積んでいるからなんですね。

 

プロは経験則として飛んでくるボールを目で追ってバットを振っていたら、決して間に合わないことを知っているため、ピッチャーがボールを投げた時点で、「どういうタイミングで自分のところに飛んでくるのか?」ということを予測して身体を動かすわけです。

彼らに言わせると、ボールが見えるのではなく、自然に身体が動くのだということになるのは、そういうことなんですね。

  

ボールが見えたことを脳が確認してから指示を出しても、打てないわけです。

    

話は変わりますが、交通事故の瞬間はスローモーションに見えることがある、という話を聞かれたことがあると思います。

こういういわゆる「極度に緊張した状態」になると周囲がスローモーションで見えるかどうかという現象についても、認知科学で実験をしながら研究されています。

 

実験でも「極度の緊張状態」を作り出すのですが、まさか実際の事故でというわけにはいかないので、何とバンジージャンプを使うというのです。

でどうするのかというと、バンジージャンプをしている人の視界に入るように文字盤を出しておいて、そこへ通常では見えないくらいのスピードで文字を表示します。

 

そうすると、緊張していない普通の状態では文字は見えないのに、バンジージャンプをしている時には、文字が見えるというのです。

つまり、極度の緊張状態の時は、通常よりも認知の処理が高速で行われるようになり、それがひいては「時間が間延びするような感覚」となって、事故の瞬間をスローモーションに感じさせると考えられているのです。

   

興味のある方は、本屋でこういう「認知科学の専門書」を読まれれば、こうしたことがもっと詳しく書かれています。

ここまでを総合すると、クルマのドライバーでも、訓練をすれば、高速の緊張状態になっても、周囲の状況は意外とよく把握することができるというわけです。

 

ただしそういうスピードに慣れる訓練をしないと、怖くて心理的に余裕がないために、周りがよく見えず、事故を起こしたりする可能性は高くなりますけどね。(笑)

極限の状態になると、自分自身の身を守るために、いつもなら見えないものでも見えるようになるという、メカニズムが働くのです。

 

こうして考えると、人間というのは、実によくできているなと、ちょっと感心しますね。

  

これは実はトレードをしているときにも感じていたことで、この認知科学での現象を考えると、とても納得できるものです。

スカルピングといって、十秒単位でいくつものグラフを見ながら、操作をするトレードの方法があるのですが、米国のマーケットは参加者の数が多いので、日本株の3倍以上のスピードで動くのです。

 

ですから日本株しかトレードをやったことがない人が、セミナーで、米国株のマーケットを解説しながら見てもらうと、ほとんどの人が、早くて何が何だかわからないうちに、動いてしまっているということになり、売買ができず呆然と眺めているだけ、ということがよく起こるのです。

ですがこれは、訓練をすることで、だんだんとそれほど早く動くようには感じなくなります。

 

今は3銘柄を同時に売買する訓練もしているわけですが、そうなると少なくとも4つのウィンドウを見ながら、売買のウィンドウで売買の操作をするわけですが、慣れてくると「早くて間に合わない」という感覚ではなく、ゆっくりと動いているように感じられるようになるのです。

初めてトレードをされている方にはにわかに信じがたい話かもしませんが、プロ野球選手が150キロのスピードで飛んで来るボールを打つことに比べたら、遥かに遅いスピードレンジの話ですから、トレーニングをすることで、これくらいのことは、できるようになるわけです。

  

それと「注意が向かないものは見えなくなってしまう」という現象も、こうしたケースではプラスに働きます。

 

それはどういうことかというと、2000年にイスラエル人の科学者が見つけた現象なんですが、訓練をした、たとえばダライ・ラマのようなチベット仏教の高僧の人になると、「意識を向けている対象」以外のものが消えてしまうように感じる現象が起こりやすくなるのです。

高僧というのは修行で意識的に注意をコントロールするトレーニングを積み、「余計なものは存在しなくなってしまう」ほどの集中力を発揮できるのです。

 

トレードでも集中する要領がわかってくると、余計な部分に目が行かなくなる、という感覚になることがあります。

  

つまりよく訓練をして集中力を高めることで、見なくていい不要な部分は、自動的に見えなくなってしまい、注意を払わなくてはならないところだけが、ゆっくりと見えるようになり、トレードがうまく行くことになるというわけです。

ですから、ワンクリックシミュレーションという「シミュレーション」での訓練を十分にするよう、耳にタコができるほど繰り返しているんですけどね。

 

実際にも多くの人が、最初はできなかったのに、今ではいわゆる高速のスカルピングというデイトレードで、素晴らしい結果を出されている方はたくさんいらっしゃいますが、そういう方は、先ほど触れたように「ゆっくりと感じられるようになってきた」という趣旨のことを、みなさん言われています。

「認知科学」という分野で、こうした点を体系的に知ってからは、こうした身をもって体験したことが整理されて納得できるようになったわけですが、いくつになっても、知らない角度から光を当てる勉強は、人生にワクワク感へと繋がってゆくものなのですね。

 

 

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