2012年07月13日 のCoolに過ごそう

独特のスタイルゆえヒットする映画には、必ずパターンあるものだ。

制作陣が予期せぬヒット作で味を占め、二匹目のドジョウを狙って製作される「ナントカ2」は、ほとんどの場合、一作目となる最初の作品を超えられない事が多い。

このシリーズが一作目二作目と「だんだんよくなる法華の太鼓」を地で行く展開だったことは、このシリーズをご覧になった方ならよくおわかりのはず。

そしてファン待望となった三作目「ボーン・アルティメイタム」もその出来は、期待を裏切らないどころか、輪をかけて素晴らしい作品に仕上がっていた。

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今までの顛末の種明かし ともいえる三作目だが、絡み合った糸をほぐすため、あえてリスクを受け入れ、身を隠したり変装をすることなく堂々と追っ手と渡り合う「潔さ」と、殺伐とした戦闘シーンの対比がこの作品に独特の味わいを与えている。

ボーンが殺し屋としての「性」を持つにもかかわらず、身を守るため以外には人を殺さず、また真相究明のため自分の身を危険に晒すことも厭わないストレートさというこのシリーズを通して貫かれているキャラクターの明快さが持つ心地よさは、前2作を遙かに上回っているといえるだろう。

そのため観客の心情はより主人公側へより引き寄せられることになり、これがジェイソン・ボーンの目線による擬似的な観客との一体感を生み出す効果をさらに強めている。

さらに自身の出生を解き明かすため、自身の身を守りながら息切れすることなく突っ走る 疾走感はさらに研ぎ澄まされ、この作品独特のスリリングな緊迫感を究極まで高める効果を生み出すことにも成功している。

その場の状況にあわせ、アドリブで対処してゆく刹那的ともいえるボーンの行動パターンは、ダイ・ハードシリーズの主人公と相通じるものがあるのも興味深い点だ。



 

特に追っ手の殺し屋との目にもとまらぬ速さの殺陣は、早すぎて何が何だかわからなくなるほどのレベルに達している。(笑)

気がつくとボーンが、相手を仕留めていたという案配の、一歩間違えると禁じ手となるラインのギリギリまで踏み込むことで生まれるスピード感は、観るものの認識力のほぼ限界にまで達しているのではないだろうか。

こうしたスピード感溢れる展開によって、ゾクゾクするような興奮を味わうことができる度合いは、前作を遙かに上回ると断言できる出来映えとなっている。

そのため、映画を見ている人の中には、余りの画面転換の速さで、気分が悪くなる人が出てくるのではないかと心配になるほど。

巧みな緩急のつけ方によって、観客の興奮をダレさせることなく最後まで継続させるその手腕は実に見事で、とにかく製作陣の気合いと心意気が、画面からビシビシ伝わってくる。

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追っ手となる組織としてのCIA に対する一匹狼のボーンというシンプルな対比も、この作品の魅力を引き立てる大きな要素となっている。

エンディングで見せるボーンの優しさと、最後に見せる死を賭けたどんでん返しとのコンビネーションは、観るものの目頭を熱くさせるはず。

そのためエンドロールは、クライマックスの後の余韻に酔いしれるための、スペシャルなエンディングとしてなくてはならない存在となっている。

 

また、映画をさらに魅力的なものに演出している音楽の素晴らしさも、エンドロールで存分に味わうことができるだろう。

席を立ちたくないほどの余韻が、エンドロールが終わっても、さらに残るという作品は、過去にどれほどあっただろうか?

と言えば、この作品が如何に図抜けたものかが、おわかりいただけると思う。

 

これだけの作品をご覧になるなら、現在の最高レベルのデジタル出力による、画質と音質を備えた最新のシネコンプレックスで楽まれることをお勧めする。

ブルーレイディスク版で、ぜひとも手元のコレクションとして加えたい作品だ。

センサーサイズ

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備忘録

X4は APS-C サイズ。

センサーサイズをまとめると・・

36.0×24mm - 35mmフルサイズ
24.0×16mm - APS-C (x1.5)
22.5×15mm - APS-C (x1.6)
17.3×13mm - フォーサーズシステム

 

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コンデジ(下列)と、デジイチ(上列)には大きな違いがあることがわかります。

撮像素子の大きさは性能と価格に直結

 

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デジタルカメラのセンサーを知ろう

 

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フルサイズセンサーと他のサイズ比率が予想以上に大きいことがよくわかる図です。

 

 

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