電源・信号経路チューンでどう変わったのか?

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前回は主に写真で機材を説明しましたが、ここでは写真なしでのレビュー。

ちょっと極端な組み合わせの、使用インプレッションというかレポートでお届けします。

とはいえ、テキストだけで、音がどう変わったのかを、書けるのだろうか?

    

ミキサーを買ってから、プロケーブルのサイトを、改めてじっくりと読んでみました。

そのため今回のチューンナップはミキサーを揃え、電源関係の接続ケーブル、最後に電源タップという順番で、セッティングしてゆくことになったのです。

  

プロケーブルの機器についての解説は、ショップオーナーの方ご自身によって書かれています。

読み進むうちに、表現がとても個性的で、グイグイ引き込まれる不思議な魅力に惹き付けられてしまいました。

その解説では、いいものはイイ、悪いモノはハッキリダメと書かれています。

 

ですが、何故そうなのかという理屈が、なるほどというものばかりで、とてもわかりやすいのです。

文体を見ればわかりますが、書かれている方のいわゆる「ハート」が熱い方なので、誇張などで、ちょっと極端な表現になっているところもあります。

そのため、アンチが出やすいサイトだとも言えるわけですが、論より証拠で最後にに購入者からのコメントが併記されているのが効いているようです。

   

ですから、購入のためには、書かれている方の評価軸と、自分の基準が合っているかどうか?

この一点にかかってくるわけです。

 

オーディオを趣味にすると、とにかく結構なお金がかかるようになります。

たとえば最高級オーディオ用スピーカーケーブルなどは、5.4メートル2本(ペア)で 302万4千円などというものまであって、まさにピンキリ。

調べれば調べるほど、選択基準をどこに置けばいいのかが、わからなくなってしまう世界でもあるわけです。

  

アメリカに住んでいるとき、マッキントッシュでC-40というプリアンプとパワー・CDプレイヤーを揃え、JBLのパワードモニターを使っていたときがあります。

オーティオにもっともお金を掛けていたときでした。

マッキントッシュはアメリカで買うと、日本よりかなり安く買えました。

 

とはいっても、何だかんだと全て含めると、1万ドルくらいはかかったでしょうか。

ただケーブルは、日本のようなマニア向けの何万円もするケーブルは売っていないのです。

シアトルのベルビューといういわゆるマイクロソフトの城下町と呼ばれているゾーンに、マグノリアハイファイという、いわゆる高級オーディオの店があります。

マイクロソフト関係のリッチピープルが多いところなので、ポルシェがウヨウヨ走っているようなエリアなのですが、でも、意外にも余り高いモノは置いていないのです。

JBLのパワードモニターなどは、郊外でPA等を使っている、かなりマニアックな店でようやく買えた、というような案配でしたからね。

こういう事情もあって、幸いにもケーブル地獄という泥沼に填ることはなかったというわけです。

  

こうした経緯のため、日本へ戻ってからのケーブル類や電源タップは、今までごく普通のモノを使ってきたわけです。

このような背景を考えると、プロケーブルが扱っている機器は、非常にリーズナブルな値段だといえるのではないでしょうか。

プロケーブルがのさばると非常に困るオーディオ業者!? (笑)

ピュアオーディオスピーカー試聴レビュー

 

     

 0522Xone01.jpg

    

  

さてハナシが長くなりましたが、いよいよ本題です。

さて全てを繋ぎ、いざ音を出してみました。

    

 

    

まさに目から鱗。

「のけぞる」ような鮮烈なサウンドでありながら、柔らかさを兼ね備えたサウンドと言えばいいでしょうか。

これには驚きました。

 

オーディオの世界では、解像度を上げる方向でチューンしてゆくと、音の緊張感が高くなり、ともすると固くなってしまいがちです。

ですが今回のセットでは、低域は質感が識別できるほど、締まっているのに、奥行きの量感が非常に豊かに響くのです。

音質は柔らかく暖かみがあり、しっかり太くウォームでありながら、それでいて弦へのアタックと余韻がきちんと識別できるこの描写力はどうでしょう。

  

音楽を支える低域が、これだけしっかりとした高い質感を持っていると、中高音にも良い影響が現れるわけです。

その相乗効果が、聴き手がある種の感動を抱かざるをえない体験を、もたらせてくれるのではないでしょうか。

    

通常、多くの楽器音が混じり合い、音量を上げるにつれ、そのサウンドは混沌としがちで、さらに特定の帯域の音同士が被ったりすることで、混濁とするわけです。

そのため、あたかも音の鮮度が落たように聴こえることになり、聴き手を感動させてくれる大事な要素が抜け落ちてゆくのです。

  

NF-1Aは、パワード・ニアフィールド・スタジオ・モニターという、パワーアンプが内蔵されたモニタースピーカーです。

パワーアンプとスピーカーというのは相性があって、その間を繋ぐケーブルなどでも、音はコロコロ変わってしまうわけです。

ですが NF-1A のような、パワードモニタースピーカーはメーカーが膨大な時間を掛けてテストし、音決めをしています。

言い換えれば、メーカーが最もよく鳴るセッティングでもって、パワーアンプを設定しビルトインした、スピーカーなのです。

   

そのため、パワーアンプと、スピーカーとの相性や接続ケーブルといった部分を、いじる必要がないのです。

つまり構造上ケーブル地獄に陥るリスクのない、ある意味でとても優れたスピーカーだともいえるわけです。   

それに、このモニタースピーカーは、プロからも一定の評価を受けている、定評のある製品です。

  

新技術満載のスタジオ仕様ニア・フィールド・モニター(パワードではないタイプの方)

失敗しないDTM・DAWの宅録スピーカー選び

関心空間  FOSTEX NF-1A

モニタースピーカー導入計画!後編 知っているようで知らない、試聴の時はココを聴こう!

    

今回のミキサーと電源周りのセッティングによって、今まで知らなかった、このスピーカーが本来持っているであろう、本来のポテンシャルを、始めて引き出してくれたのでないか。

スピーカーの前面に広がる空間に浮かび上がる、非常に見通しのよい音場で展開される音は、私にそういう感じを抱かせてくれたのです。

これだけ聴き手を幸せな気分にしてくれる音に、生きているウチに味わえる幸せ、というチャンスに巡り会えたことを、心から感謝しながら今これを書いています。

 

さらに次のステップとして、14年前に発売された NF-1A の代替候補選びという、心躍る楽しみが待っているのです。

嗚呼!

 

    

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